Clients Interview

アロマスター株式会社

AROMASTAR CO., LTD.

踊瀬かおり


話者1: 踊瀬 かおり氏
話者2: 白(ベック)(ディレクター)

100designer results

https://100pamphlet.jp/results/

ベック:お忙しいところインタビューに応じていただきありがとうございます。
本日はよろしくお願いいたします。

踊瀬:お願いします。

ベック:最初ネットで検索して弊社にご依頼を頂いた経緯がありますが、おそらく他の会社にもお問い合わせをされたと思います。

踊瀬:そうですね、あの時はもういち、御社と二社でした。

ベック:弊社にご依頼を頂いた決め手があれば教えていただければと思います。

踊瀬:このような製品カタログというものをちゃんと作ったことがこれまで無くて、初の試みだったということと、今後どんどんブラッシュアップする予定でもありましたので、完璧な完成形ということではなく、商品のラインナップ含めてまだまだ発展途上的なところの中身があるのでまずは柔軟性があるかどうかでした。

一般的なパンフレットの制作会社は、プロジェクト担当がそれぞれ細かく分かれていて、弊社が費用を凄くかけた一大プロジェクトに出来ないというのもあり、気軽に相談できるところや、のちのちの変化に対しての対応をスムーズにしていただけそうなところで御社は一番良かったかなという感じですかね。

ベック:なるほど。
資金が豊富にあっても、制作にかかる時間や労力などかなり大変な作業になるので、果たしてそこまで必要なのかどうか。

踊瀬:中小企業においてはそうだと思います。これが一流ブランドなら別の位置付けだと思いますが。

ベック:どちらかというと、より気軽に実用的なものを作りたいということですかね。

踊瀬:そうです。そういうことですね。中小企業が9割以上ですから、そっちのニーズのほうが圧倒的に多いですよね。

ベック:そうですね。弊社もそのような案件を手助けできるように、色々と頑張っております!
先ほど、今回は初の試みで、今後のブラッシュアップも念頭においているということでしたが、制作する前にパンフレットをどのように活用したいなど期待していた効果があれば教えていただきたいと思います。

踊瀬:前提としては、もともと弊社は業務用のアロマの会社だったので、そのお客さんが弊社製品をウェブでも買えることや直営店舗でも買えることを知らない、逆に個人のお客さんですと、業務用のもやっている会社だと知らない、また弊社の販売員も弊社の製品で他にもこんなものがあるということを知らない人が多いであろうということです。

営業展開をきちんとやってきていない経緯もあるので、弊社の商品がどんなものかというのを詳しくお伝えする機会もなかったです。

今回制作する冊子をきっかけに、こんなのもあるんだ、購入いただいているもの以外でも、これってどうなの?というようなことにつなげたり、今までは見なかったけどウェブページも見てみたら、へ〜〜というようなこともあり、良さそうだね、買ってみようか、みたいなことにつながったり、PRプラス実売も含めてですね、期待していったことは。

ベック:なるほどですね。
業績が順調に伸びていても、やはり今までのやり方だと少し限界があったり、今回のパンフレットもそうですが、御社でオウンドメディアなど色々試しているのは、これを機に大胆に変えていこうとしている印象を受けましたので、その第一弾としてのツールということですかね。

踊瀬:それもあったと思いますが、弊社は割と慎重派だと思うんです。
ECの方はECの方で戦略もあるのですが、今のうちのユーザーがそれなりにアナログ世代であるというところからやはり紙ベースのものへの馴染みというのもあって、オウンドメディアも効果も出ていますし、ECの売上もかなりの比率確保しているんですが、やはり、どちらかに偏りすぎてもよくないのがあるというのと、かと言って、どちらかをスペシャリスト的にすごくお金かけてやっているわけではないので、間口を広げて色々な人にウエルカムな状態にしたかったというのもあったと思います。

今のアナログ世代にまた更に入って行きやすさでカタログを見るだけというようなこともセットで必要ではないかという代表の判断もありました。

ベック:若い世代はウェブやスマホを見ることに慣れているとしても、どこの店舗にいってもポップだったりDMだったり置いてありますよね。

踊瀬:そうです、そうです。

ベック:やはり手に取った時の質感とかと合わせて、ブランドに対するイメージがうまれるので、結構大事ですよね。

踊瀬:大事です。

ベック:そのような経緯があり、制作をスタートしてから、初めてのパンフレットの制作ということで、進行や掲載内容を選定するに当たって結構大変なところもあったと思いますが、実際に、やる前と、制作をしながら感じたことや、難しかったとか、大変だったなというのがあれば教えていただきたいです。

踊瀬:私は前職から含め、印刷物の制作にはなんとなく関わっているので、作るということ自体はそんなに難しさなく、おおよそ出来るというのは基本ベースとしてありますが、弊社の場合は商品が日用品として使うアロマなんですが、実際香りって、洋服と違ってビフォーアフターがわからないじゃないですか。今いい香りが漂っているかどうかを、部屋の写真を撮ったってわからない。それを表現するというのが何より難しい、そして書いてある文書を読んで、こういう香りであろうというのは、お店に行けば香りサンプルはありますけど、香りサンプルがない状態で、どうやってイメージさせるかというところが何より難しいですよね。

ベック:確かにそうですね。

踊瀬:商材が難しいところかな。

ベック:商材の性質上、それを文字で伝えるのが難しく、実際使った後はどうなるのか。

踊瀬:そうです。アパレルなら簡単ですよね、着て綺麗に見えれば、かっこいいね、買いましょうとなるんですが、それがわからないので、一般的にアロマのメーカーさんとか、アロマ業界や販売しているショップさんでも出しているパンフレットはみんなラベンダー畑とか、精油の素の部分、香りの素になる部分、製法の部分だったり、そういったところで精油の効能をただひたすら植物の写真と一緒に書き連ねるというのがどこもそういうパターンなんです。

ディヒューザーに関してはもちろん仕様やスペックくらいしか書きようがないんですね、書きようがないから、弊社も同じような内容を書いて、グレープフルーツというのはこういう成分ですよって説明があって、それで安いねって値段を大きく書けばいいのかとか、チラシではないので、それもちょっと違うし、そうすると全く差別化が出来ないですよね。

ベック:差別化難しいですね。

踊瀬:そうすると何が違って、どんな製品なの?というのを、瞬時にインプットさせるためにどのような方針にするかに始まり、色々な意味で弊社としても、もう一回コンセプトを見直す良いきっかけになりましたけどね。

ベック:先ほどの質問と重なる部分のあると思いますが、今のお話のような難しさは、制作において重要視していたポイントにもなると思います。
今回の制作ではヒアリングを何度かさせていただいて、弊社でできることは構成やデザインの力で少しでも御社のご要望を表現できるようにすることだと思いました。
御社のご要望や課題をなるべく対応したつもりではありますが、何かご感想があればお伺いできればと思います。

踊瀬:弊社が本当に目指したいことに近いイメージで、画像のセレクトにしても想像以上にうまくチョイスしていただいたなというのがあって、むしろ今まで地味だった商品が華やかになったという感じです。
そうなると弊社もラベルのデザインだったり、色々な意味で見直しがとても必要だなということをより感じますよね。

生活に根付く商品なので、生活や本当の日常がそのまま見えているのも現実なんですが、やっぱりカタログなので、夢が必要じゃないですか。散らかっている部屋に住んでいたとしてもこういう部屋に暮らしたいというイメージですね、その中に弊社の製品があって、そこに香りもプラスして生活のレベルがランクアップしたというのを見せるためにどうするかだったので、その意向をすごく良く汲んでくださったというのはあります。

写真のセレクトの難しさも本作りをしたことがあればわかるので何をチョイスして何を切り取るかってすごく感性ありきで優秀なアートディレクターさんがいて、カメラマンさんが居たとしても、その人の感性に結構左右されるので、そういう意味では今回いいパートナーさんをチョイス頂いたと思っています。

ベック:そこが弊社の強みでもあり、弊社にたくさんの良いパートナーがいて、仕事を何度かさせていただき、その中で今回の案件にはこの方が適任ではないかと、弊社内で選別させていただいてやっていますので。

踊瀬:間違えると全然方向が違うものができますし。

ベック:今回はかなりボリュームがあり、最初からデザイナーの方も打ち合わせに同行し対応させていただいており、ページ数が少ないものであれば、弊社のシステムで複数のプレゼン案を出させていたでき、選んで頂くのでミスマッチは少ないと思います。

実際の制作でも画像のセレクト以外のところでもかなりページ数があったので全体のテイストと、さらにその中の商材ごとのテイストの違いで結構悩ましいところがあったと思うのですが。

踊瀬:そうですね、悩ましいところありましたね。
正直言って若干ムリクリ感もある、むりやりストーリー作っているというところもあったんですが、それを真剣に今まで考えたことが無かったので、個人的にはすごく弊社の商品と対峙したというか、これまでにないくらいこの子達を真剣に見たという期間でした。これに関して。

ベック:最初の話にもありましたが、最初から完璧なものを作ることはムリなので、これを土台にどんどんブラッシュアップしていければなとは思います。

踊瀬:そうですね。

ベック:一回、御社商品を試したら必ずファンになるとは思います。

踊瀬:弊社はリピート率もいいですし、本当に簡単に使えることと、合成でごまかせない100%天然の価値というところもありますし。

ベック:弊社のほかの者も、昨年度にお子さんが生まれて、子供用の虫よけスプレーを買っているんですよ。

踊瀬:そうでしたか。ありがとうございます。

ベック:実際に使った感想を聞くと、凄くいいということで、虫よけスプレーとかいろいろセットで買っていて。

踊瀬:そうだったんですね、よかったです。赤ちゃんでも使っていただけるので。

ベック:他にも弊社で貴社のオウンドメディアやECサイトをデザインなどをやらせていただいているのですが、担当のデザイナーもエンジニアも女性なので結構評判はいいです。

踊瀬:ありがとうございます。

ベック:弊社もアロマディヒューザーを購入して7月に引っ越したオフィスに置いているんです。

踊瀬:何の香りチョイスされました?

ベック:女性の方々に選んでもらったんですが、フレッシュグリーンかシトラスハーブがいいというので、私の方でシトラスハーブに決めました。

踊瀬:そうでしたか。

ベック:話は変わりますが、結構バタバタしながらも何とか作り上げることができたと思います。制作前に活用の目的があったと思います。今はどのような形で活用されていますか?

踊瀬:既存のECの顧客さんと法人のお客さんには一斉に配布しました。この10月から直営店舗3店舗でアロミッククラブ会員という会員制度は設けることになっていまして、会員登録すると、常時うちの製品を10%オフで買えるという特権があります。その会員になってくれたお客さんには一冊お渡しするということで、それでまず第一弾はける、次どうする?っていう話になると思います。

ベック:その会員制度はよくあるメンバーシップカードとは違うのですか?

踊瀬:色々な案があったんですが、単純にカードを提示したら10%オフという話です。これまで店舗を立ち上げてからは、一般的なポイントがたまったら現金として使えるとか、アプリも導入してみたりとか試みているのですが、ポイントの有効期限があると使わないままに終わっていくこともあって、どんな時もいつ来店しても気軽に使いやすく間口を広げる意味での

ベック:いつでも10%オフみたいな。

踊瀬:そうですね。それでも個人情報をいただくことで販促物を送ったり案内もしやすくなるので。

ベック:お話を伺った感じでは、アロマを常に生活の中におくことで、豊かな生活を過ごしてもらいたいという御社の想いがあってそれが会員制度に反映されて常に10%オフということにしたのではないかと想います。

踊瀬:そうですね。あまり複雑なことをするとお客さんがついてこれないというのもあるのと、実際現場とオペレーションが色々大変になるので、シンプルでわかりやすいということが、うちの製品もシンプルで解りやすく、誰でも使いやすいコンセプトになっているので、仕組み自体もできるだけシンプルに無駄なことはやらないという風にシフトしました。

ベック:お客さんに対する展開やアプローチなどがすべてマッチしているんだなという印象がありますね。アロマは難しい、使いづらいということから脱皮して、使いやすいというのを全部一貫して提供しているということですね。

踊瀬:そうですね。世の中色々な戦略がり色々なツールもあって、それを活用すればこうなるという成功事例もいっぱいあります。
ただ情報が多すぎるので本当の意味でのユーザーの囲い込みということを考えると、逆にそういう情報をあまりたくさんインプットさせない方がお客さんもストレスがないんじゃないかなというのが個人的な考え方です。

ベック:最後になりますが、その他に制作のことでもいいですし、弊社に対する感想でもいいですが、何かご意見やご感想があればお願いいたします。

踊瀬:ベックさんと縁があり、今回凄く良かったなと、他の部署でもお世話になっていますけど、多分中小企業に一番求められているフットワークのの軽さとか、スピードとかそういう意味でのプロフェッショナルさがある担当の方にちゃんとついていただいていることが何より安心ではありますよね、私どもからすると。

ベック:なるほど。もちろんチームをちゃんと組もうと思えば弊社でも各分野のプロで対応可能ですが、お客さんの中では一緒に作り上げていきたいというクライアント様も多くて、大掛かりなプロジェクトになると押し付けではないですが、これがいいです!という。

踊瀬:そうですね。どうしてもコンサルティング寄りになっちゃうし、プロなので提案力はあるんでしょうけど、本当のところは、ちょっと困っているところを少し助けてほしい、苦手なところを協力してもらうことで、やりたかったことを形にしてくださいというニーズの方がやっぱり多いですよね。

ベック:大企業とかだと、しっかりと全部のプロセスが決まっていて、商材に関しても全てを細かく決めた上でアプローチすることが多いと思うのですが、まだ中小企業のお客様ご自身が気付いていない部分もあって、よく話し合いながらその中でまた新たな発見が出てきたりすると思うので、弊社も外からの目線で反映していこうと思っています。

最後の最後にこれから会社案内でもカタログでも色々制作を検討されている方がいると思うのですが、何かアドバイスではないですが、一言なにかお伝えしたいことがあれば。

踊瀬:これからやられる方ですね。多分弊社に限らずですが、逆に私はベックさん側の立ち位置で仕事をしていたことがあるのでわかるのですが、作り手の都合、、要は作り手が困る要望の出し方はお互いストレスになるから要注意だよということですかね。ありますよね、その依頼の仕方とか、その構成の仕方は、、何かないですか?どう言ったらいいのかな。

ベック:例えば、ちゃんとゴールと目的が決まった上で、それに沿ったものであればいいですが、思いつきでとか。

踊瀬:そういうことですね、とりあえずあげてくれとか、あれが一番こまりますね。例えばロゴとか表紙とか根幹のイメージのところはあくまでも白紙から案を出してもらってチョイスするにはテイストの問題ですよね、初めのね。それはわかるんですけど
気持ちはわかるのですが、変更ありき、構成ありきでなんでも言えばなんでも作ってもらえるというのはちょっと違っていて、だからお客さんの願望を伝えるのが下手な人がかなり多いと思うんです。

ベック:そうですね、プロではないので仕方ない部分もありますが。

踊瀬:だからより分かりやすく、作り手が作りやすいような材料を出してあげられるように、発注する側であってもそれは凄く必要で、適当に何かやっておいてと言って、でも出したら、これは違う、これはやっぱり差し替えたり。
結局、作っている工程が見えないと一つ写真を差し替えるだけでも、どれだけ手間がかかるとか、何かをやめることによって急にレイアウトが崩れるわけです。そしたら全部見直さないといけないとか、そういうことが分からない方もいるので、それは間に入っているベックさんのような方々がお客さんに伝える努力も必要かもしれませんし、お客さんも理解しようとする努力をするなど、どちらも必要ですね。
それがスムーズにいかないとお互い不完全燃焼のままで、何か依頼したけどイマイチじゃない?という話が出てきたり、そことはあまりもう仕事したくないというようなニュアンスになったり、結構そういうのってあるあるじゃないですか。この業界。

ベック:確かに作りたいものやゴールがはっきりしていないままだと、最初におっしゃったように、お互いストレスになるというのは本当に分かります。

踊瀬:ありますよね。

ベック:それを少しだけ工夫するだけで

踊瀬:そうそうもっともっとスムーズにね。

ベック:お客様ご自身も凄く楽に仕事出来て。

踊瀬:そうそうなんです。

ベック:こちらもより良いものを作れると思うので、結構大事ですね。

踊瀬:大事ですよね。

ベック:はい。

踊瀬:ただその手前で、自分たちも何を作っていいのかわからないから、だから相談する、プロに頼めば何とかなるという短絡的な感じだと思うんです。きっと入り口は。

ベック:何も分からないから頼むということ自体は全然問題ないんです。

踊瀬:問題ないです。だとしたらプロの意見をちゃんと聞いてその通りやったほうがいいしということにもなるのでね。それが、ここはやっておいてと丸投げしたりみたいなことになると、最終的に実務をやるかたが不安になりますよね。そんなオーダーで、こう返したときにまた変更依頼があるんじゃないかという、だから多分クリエイティブに作ったものに対してNOと言われることが一番嫌で、これでOKですよと言われたその瞬間にほっとするわけじゃないですか。

ベック:一番ドキドキする瞬間ですね。

踊瀬:だからその辺の配慮が意外とわからないといいパートナーシップ取れないだろうなというのはいつも思っています。

ベック:更に困るのはNOと言われることはいいのですが、じゃあ何がダメなのかをはっきりとおっしゃってくれない。

踊瀬:これは嫌とかやっぱりここの写真じゃないとかね。

ベック:これはこういう意図があってちょっと違う写真がいいいとか。

踊瀬:そうですね。

ベック:全体のあれが違うのでとか、何となくイメージが違うとかって言われると、じゃあ修正だったりブラッシュアップはするんですけど、次はどういう方向性でいけばいいのか。

踊瀬:そうなんですよね。

ベック:わからなくなるので、デザイナーの方もかなり。

踊瀬:困っちゃう。

ベック:はい。

踊瀬:そうなんですよね。

ベック:あるあるなことではありますが。

踊瀬:今回、弊社も自社で撮影した写真がちょっと暗かったというのもあるしこの紙だからか凄く発色が良くて、思ったより良く出たなという印象でしたね。

ベック:そうなんですね。

踊瀬:このような弊社のぼやっとしたラベルでもすごいぱちっと出て、容器も結構濃く出ているからこれまでの印刷物にはないパターンで。

ベック:そうですね。若干紙を変えるだけでもだいぶ印象は違いますね。一番よく印刷であるのは、それこそチラシの広告だったり、光沢の少ないマットコートなんですが

踊瀬:うちの商品の素材の撮影をもう一回頑張らないといけないという感じました。

ベック:次回も何かお手伝いできるところがあれば些細なことでも気軽に相談してください。
長らくインタービューありがとうございました!

踊瀬:こちらこそありがとうございました。