Directors Interview |
HOSHI
DAISUKE
DIRECTOR
JAZYブランディング株式会社
東京オフィス チーフディレクター
取材者:まずは自己紹介をお願い致します。
星:JAZYブランディング クラウドソーシング部営業ディレクターの星です。
宜しくお願い致します。
取材者:宜しくお願い致します。星さんがディレクターになったきっかけを教えてください。
星:新卒で不動産業界に入ったんですが、そこではリフォームやリノベーション、内装工事をやっていたんです、その中で少しデザインぽいことを学びながら、今とは全然畑の違うことをやっていたのですが。5年くらいやってぶち当たる壁があって…このままでいいのかな、みたいな?それで会社辞めまして、2年くらいオーストラリアに行ったんです。そこで「視野広げて来ました!」みたいな感じで日本に帰って来て(笑)
その後新しいことやりたいなーと、次は全然違うことをやりたいなと思いまして。全く無のところから作ることがしたいと漠然と思ってて。その時はデザインとか何も知らなかったんですけど、全く未経験で採用してもらったというのが最初のきっかけですね。いわゆるディレクターになったきっかけというところです。そもそもディレクターって何をやるのかもわからないで好奇心で始まりました。
取材者:行動力系ですね、今何年目ですか?
星:5年ですね。
取材者:なるほど、壁に当たってから悩んで、今はいい感じですか?
星:実は今も壁にぶち当たっていて、俺これからまた海外に2年くらい行かなきゃいけないかなとか、このサイクルでは…
取材者:5年日本、2年海外のサイクルですか(笑)
星:そうなっちゃいますねぇ(笑)
取材者:なるほど(笑)…さぁ!では、これは100人のデザイナーのディレクターインタビューなので、基本的にはパンフレットとは?という内容でいきたいのですが、パンフレットを作るにあたって、ディレクターとして気にかけていることや意識している部分ありますか?
星:最初は営業マンとして入っていくので、なるべくお客さんに良いこと言いたいんですよ、そりゃあ。ディレクターとしては制作に突っ込んでいく要素も多いんですよね。ただ最初にお客さんに良いことを言いすぎで後々お客さんも込みで苦労するのって、意外とあって、バランス感覚は気をつけています。
取材者:お客さん込みで?苦労する?デザイナー側はなんとなくわかりますが…
星:最初はこう言っていたけど、途中で別方向に向いて、出来上がる時にはこうなっちゃった。あれ思っていたのと結局違うよね?っていうことがあるんですよね。うまく舵取らないと。
なので最初に割と営業だからとかディレクターだからとか関係無く、何で作るんですか?というところは散々聞きます。散々聞いてそれでもひっくり返るのがパンフレットに限らずこの制作という仕事です。意識しているのはそういうところですね。
取材者:ではメリットもデメリットも散々洗い出すと?
星:そうですね。でもこれ、あんまり言いすぎると営業的な視点で行くと、取れない。
取材者:取れないですよね。
星:そりゃあメリットばかり押し付ければ、見栄えはいいですけどね。ただ大前提良い仕事にならないと。
取材者:お客さんにヒアリングして、こうしたいんだよねっていう事が見えたはずなのに途中からなんだかブレて来ることがあるんですね。
星:ありますよね。それは自分とお客様の間では無く、別の要因というんでしょうか。突然社長が…みたいな事もありますし。
取材者:なるほど、そういうところもケアして。
星:そうですね、分かれ道ってたくさんあるので、散々シミュレーションと準備をします。
取材者:ディレクターとしては日々そういうクリエイティブに携わるという意識の中で気にかけているところとかってありますか?あれを毎週見ているとか、こういうところ見ているとか。
星:結構情報収集はしている方かと思います。なのであまりその話はしないですね、自分の中で独り占めします(笑)
気にかけてることは、不便だなとか、これ困っているなみたいな事は、日常的に意識してますね。
今、子供生まれたばかりなんですけど、世の中ってめちゃくちゃ不便だなって思う事いっぱいあって、ユニバーサルデザインって言うんですが、障害のある人に対してはこういう風に設計してあげたら住みやすくなるとか、まだ世の中には沢山不便が転がっているなと思っていて、そういう事を日常的には気をつけて。
取材者:行政のサービスが自治体ごとに言い方違うみたいなの、ありますよね。
星:多分まだ概念もふわっとしていて、しかもこれはこの人には便利だけど、果たしてこっちの人はどうかみたいな事とかってあって。
取材者:わかりますねそれ、全員で満足することってこの世に無いんじゃないのって思うんですよね。本質的には。
星:そうなんですよね、でもその中で答えを提示しないといけないのが僕なので。
不動産にいたからかもしれないですけど。結構平面とかウェブサイトとかっていうよりは、日常的なこれ不便だみたいな事結構意識しています。
取材者:結局不便だからこそデザインが生まれるわけで。
星:まさにそうですね。
取材者:そういう事ですもんね。それを解決するためのデザイン。
そうやっているとクライアントさんのところでも機転が効くというか、こういう風に今困っていて、これ解決すれば良いんだなという、ポイントが見えてくると…
星:その延長上に全ての案件って存在しているかなと思っていて。
それを気がついて、なんとかするのがディレクターという。
取材者:クライアントさんがアイディアが全くありません。ただパンフレット作りたいんだよねっていう時に、どういうアプローチで進めているとかありますか?
星:さっきと一緒ですが、何で作るの?っていうところをやっぱり掘り下げるしか無いかな。
担当者さんレベルで出てこないケースっていっぱいあるんですよ。何で作るのかわからないみたいな。でも指示した人は実はもっと想いがって、意図があって、営業戦略としてこういう風に考えているとか、そういう意見が出てくるといいですけど。
会話して自分からその方向に突っ込んでいく感じですね。
取材者:なるほど、対デザイナーさんに対してはどうですか?
星:僕はコミュニケーションとってよく飲み行ったりしますね。
割とやりやすいと言っていただける事が多くて。
取材者:結構ぶっちゃけ話とかもデザイナーさんとはしますか?
星:もうバリバリですね。
取材者:信頼関係はかなり築けてそうですね。
星:そうなんですかね。
取材者:それって結構意識的にやると、ずる賢いみたいな感じですけど、やっぱりちゃんとケアをするって感じで?
星:ケアというか一緒にものを作っているので、僕ができる部分は尊重してもらっているし僕ができないところは逆に尊重すべきじゃないですか。制作してもらっている方に対して。という意識だけは持っていますね。昔不動産屋でリフォームやってもらったあとに、大工の親方にもむちゃくちゃ怒られたことがあって、リフォームの現場って板とか釘とかむき出しなんですよ、なので土足で上がるんですよね、現場って。それで土足で上がった時に怒鳴られて。何で?と思ったら「お前がこれを売るんだぞと、商品だろう」と。
取材者:なるほど。
星:ちゃんとこれから作業してそれを商品にして売り出すんだから、ちゃんとそういうところも意識して釘一本でも落ちてたら拾って渡せと。むちゃくちゃ怒られたことがあって、そういうところから、実際に手を動かしていただく方に対しては、きちんとケアをしていかないといかんなというのはありますね。
取材者:良い話ですね。
星:この業界はなかなか面と向かってという、特にクラウドソーシャルみたいな要素も持っていたりするので、うちだと遠隔でやっていたりもするので、このタイミングは電話しとかないとなみたいなのは結構意識していますね。全然くだらない話しかしないんですけど…あ、ちょっと電話しようみたいな。
取材者:案件で自分が印象に残っている案件というか、うまくいった案件、苦労でも良いですけどありますか?
星:その質問一番きついんですよね(笑)それぞれ愛着というか、あるんですけど…多分みんなあると思います。このデザインうまくいったとか、それがね、僕はあまり無いんですよね。
取材者:なるほど、めちゃめちゃフラットということですか?
星:フラットですね。最終的におさまっていることに対しての達成感はあるんですけど。このデザインが良いか悪いかはかっこいいなと自分で思う時も瞬間的に思う時はあるんですけど、良いか悪いかという判断が出来なくて。いつも。
取材者:結局それを決めるのって誰だろう?っていう話ですよね。それが良いか悪いかは。
星:そうなんですよ。かっこいいなと思う時はあるんですけど…素直に格好良いなと思うんですけど。
取材者:良いのか悪いのかはまた別視点の話かな?という。
星:本当は判断しないといけないんでしょうけど。
取材者:なんとなく気持ちはわかりますね。クライアントさんが満足してくれれば僕たちはきっと良くて、逆に押し付けてしまってクライアントさんが実は良いと思っていないけど使いますみたいになっちゃっても絶対違うし、だからこそ密に詰めたいですよね、色々と。
星:そうですよね。
取材者:また最近では新サービスにも携わってるみたいで、[ワンウイークデザイン(https://1week.design)]は星さんの提案から生まれたという事ですが、これはもともとどういう背景があって、どういう思いで?
星:パンフレット作ると、最初と最後で方向がぶれまくっちゃって結局思っていたもの出来なかったみたいな、最初の方が良かったよね?みたいなケースがまあまああるんですよね、結構な頻度で。時間をかければかけるほど、言いたいことが増えてきてしまうので。
取材者:あれも入れたいこれも入れたい、ですよね。
星:じゃあ最初にヒアリングした時に何て言ってたっけ?って振り返ると、「説明はこのパンフレットではさらっとやって口頭で説明できたり、営業資料があったりとか、そもそもとにかく早く営業かけたいんだ」みたいな話でしたよね?って部分が作っているとだんだん見えなくなって、この文字の大きさだと読みづらいとか、色が薄いとか、そんな話になってきてしまって、そこって本質じゃ無いですよね?
そういうところが結構制作そのものを止めてしまうのがあって、「言いたいこと決まっています。ボリュームこうです。目的なんですか?営業ですか?営業したいんです早く。モノ売りたいんです。じゃあもう一週間で作ろう」
っていうのがクライアントさんに対して訴えたかったところですね。このサービスに関しては。メインで対象としているのはスタートアップの会社とか、いわゆる新サービスを立ち上げようとしている会社さんなので、それがちょっとパンフレット作るとなると自分達のサービスもホットな状態なので、デザイナーさんにも伝わりやすくてスピード感がもてるかなと。
取材者:パンフレットに落とし込みたいサービスをデザイナーにプレゼンできるような方々が早くパンフレットを作れるサービスだと。
星:プレゼンっていう言い方だとお固いかもしれませんが、ある程度決まってて早く作りたい方にはうってつけかと思います。
取材者:あなたたちの、そこまで決まっている思いがあるんだったらすぐ形にしますよっていうサービス?そういう意味では100人のデザイナーのパンフレットとはまた違った動きに?
星:少し違うものですね。でも速いからクオリティーが悪いとは思われたくない。
取材者:そうですね、結局はディレクションの分量がちょっと欲しい人と、めちゃめちゃ欲しい人の差だと。
でも凄い良いですよね。今飲食店とかって個人経営のお店が多くて、めちゃくちゃブランディングしっかり自分たちでできているけど、予算はあまりないだろうし。
星:カフェとか多いですよね。最近。
取材者:でも今ってSNSもあるし、自己ブランディングめちゃくちゃみんなするじゃないですか。だからそういう意味では凄いニーズがあるサービスなんじゃないかと思ったんです。ただ単純に作る手と時間がありませんという人が絶対いると思うので。
星:まだ改善できそうなところありそうかなと思いつつ、サービスの視点としてスピードというものをきっかけに何か展開していくというのはちょっと考えているところです。
取材者:アイデアマンですね、他には何か考えていたり?
星:ありがちですけど、映像コンテンツみたいなのはやりたいですよね、
取材者:時代としては需要めちゃくちゃありますよね。
星:それはやりたいなと思いつつ、さっき言っていた個人ブランディングみたいなのでいうと、今って配信はできてしまうよね、個人で。発信、配信は出来てしまって、動画だとiPhoneで撮ろうと思えば撮れるとなった時にデザインという要素を上手く個人向けに売れないかなというのは考えていて。
取材者:ダサいテンプレート使うではなく、ちゃんとしたものを支給してあげるみたいな。
星:その時にさっきのワンウイークというのが実は親和性あるんじゃないかなとは思っています。
取材者:パンフレットが入り口ではあるけど、広く全体的に考えていますね。
星:そうですね、実はスピードに特化したサービスというのは個人に親和性があるんじゃないかなと前から思っていますね、会社単位で会社パンフレット作るのではなく、営業マンが独自で営業ツール作りたいとか。
取材者:なるほど、自分のやり方を入れ込んだものをパッと作りたいみたいな。
星:なので、営業マンが独自でLP持ったって良いんじゃないっていう。
取材者:面白いですね。確かに、もしかしたらそうなっていくかもしれないですよね。
今でだってパワポで自分たちの独自の提案書とか作る訳じゃないですか。
星:名刺を自分だけのとかって最近ちょっと前からやっていますけど、もうちょっと気軽に作れるように世の中のサービスも整えられていく予感がしてます。
取材者:面白いしワクワクしますね。
逆にプライベートなことで仕事とは別にリフレッシュ方法だったりはありますか?プライベートの部分で仕事に生きてきたこととか?
星:広く浅いタイプなんですよね。広く浅く何にでも手を出すタイプで。
取材者:広く浅く多趣味なんですか?
星:多趣味というか、興味があるとなったらすぐ手を出しちゃって、勝手にアフターエフェクトいじってみるとか好きなんですよね。ああいうのやっているのが。
取材者:以外とデザイナー向きなんじゃないですか?
星:プライベートで仕事に役立ったという意味では、昔音楽やったりしていたので、作曲ソフトでMacの使い方覚えたりとか、そういうのはなんだかんだでどこかしらで生きるなあみたいなところはありますけど。
取材者:好奇心が功を奏したみたいな?
星:そうですね、自分でテンプレサイト年間で契約してみたりとか。
取材者:インドア系なんですか?
星:あ、でもバスケ部でしたね。
取材者:バスケ部!身長高いですもんね。ポジションは?
星:ポイントガード。まぁでも僕、接待バスケですから基本。
取材者:接待バスケ(笑)?なかなかのパワーワードですね(笑)
星:接待バスケ。もう自分でシュート絶対打たない。
取材者:なるほど。
星:とにかくパスを出すんですよ。相手が喜ぶような。
取材者:それ、誰に対して接待なんですか(笑)?
星:チームみんなが気持ちよくプレーできるように、ですね。
取材者:なるほど…あれ?まさか?(笑)
星:そうです、良いディレクターにつなげようかなと(笑)
取材者:(笑)コート上のディレクターだったわけですね。
星:パス回しでレギュラーを取った男ですよ。
取材者:なるほど、案件も、自分で貯めずにどんどん周り巻きこんでパス出すみたいな。
星:おかげで視野がめちゃくちゃ広くなりましたね。
取材者:(笑)最後すごい上手い事言いましたね。
星さんは人柄が一緒に仕事したくなるようなオーラありますよね。
今日はありがとうございました!
星:ありがとうございました!