Designers Interview
柳瀬 桃子さんは二児の母親であり、デザインの冒険者。
柔らかな物腰からもその熱量が伝わってくる。
何より、自分のインタビューなのに弊社のサービスについて触れてくる企業理解の深さ、サービス精神には驚き!
デザインと、クライアントと、自分と・・・しっかりと向き合っている女性の生き方が見えてきた。
子供の事や女性としての生き方を考えると、デザイナーは上下しながらでも続けていける職業と思っています。
取材者:それではよろしくお願いします。
まず柳瀬さん自身がデザイナーとして今は独立されていて、自分でやってみようかなというのはある意味起業だと思いますが、そのタイミングというのは自分に自信があったとか、どういうタイミングが大きいんでしょうか?
柳瀬:とても普通の流れですが結婚しまして、この職業が好きなので続けていきたいとなると、子供の事や女性としての生き方を考えたりするとやはり独立してスケジューリングしなければこの業界では生きていけないな、というのが前の職場で感じたことでした。であれは、自分でできる範囲をやっていこうということで独立しました。
取材者:変な言い方かもしれませんが、特に女性にとってという言い方するとあれかもしれませんが、デザイナーという職業ってやりやすいというかセンスとか色々なことが家事とか色々なバランス自体は取りやすい職種という感覚ってありますか?
柳瀬:外勤で勤めている方よりはそういう家庭バランス考えると、自宅内に作業スペースがあるのでいつでも作業できる環境ですし、むしろ結構夜遅くに原稿の返事が返ってきたら、子供がいると寝かした後にとかそういうところが可能になったり、苦労する部分もありますが、上下しながらでも続けていける職業ではあるかなと思っています。ただ何にせよお仕事を頂けないとどうにもならないので、そこら辺が独立の難しいところだと思います。それと一人だとどうしても制作の視野やキャパシティが狭くなってしまうのが悩みですね。
取材者:独立されて何年くらいになりますか?
柳瀬:今10年ですね。
取材者:独立するときに食べていけるかなとかそういう不安みたいなものも考えていなかった?
柳瀬:やはり独立した後は考えますよね、やりながらどうやって生きていこうかってじわじわ思った感じで。
デザイナーの方ってそれぞれ独自の視点があって、それを上手く仕事に応用している気がするんです。
取材者:こういうものをやりたいとか業種とかジャンル、業種でもアイテムというのかな。パンフレットとかカタログとか色々あると思いますがこういうものやりたいみたいなものはありますか?
柳瀬:最近思うのは、デザイナーの方ってそれぞれ独自の視点があって、それを上手く仕事に応用している気がするんです。海外に行った方ならグローバルな視野とか、男性なら自分の趣味の部分の広い視野だったり、私の場合は子供ができたことにより子育ての分野には関心が広まったので、そういうところで子供に対するわかりやすく楽しいものを作るとか、そういうことを応援している企業さんのサポート的なデザインに携われるとか、漠然としていますが何かデザインを通して社会に貢献できるお手伝いができたらいいなと思ったりしますね。
取材者:身近にというか自分の種類というか、単純にその人が喜んでほしいものを作るというのは幸せかなと思いますし、うちもそういう意味では子供のおもちゃを販売している会社さんがあって、お客様なんです。ウェブサイトもうちで全部作らせていただいていて、私の子供が今はもう9歳ですが、当初付き合いをさせていただいた時まだ幼稚園の時で、ちょうどその会社さん使っていたので。
柳瀬:行きます行きます。
取材者:今おいくつですか?
柳瀬:今8歳と4歳です。下に合わせるとそういうところに。
取材者:行きますよね。
柳瀬:行きますね。
取材者:結構うちも行くのですが、ここどうしてこうなっているのかな?とか、こここうしたらいいのにとか本当に思うんですよ。これは完全にユーザー目線ですね。
柳瀬:関わっているからこそ見える視点というのがあると思いますね。そういうところで広げていきたいです。
自分に身近な案件が来たら嬉しいけど、デザイナーとしての別の自分がいて、新しいジャンルにも挑戦したい気持ちも常にある。
取材者:そういう意味ではジャンルとしては“生活”というのは割と身近なもので案件が来た方がやりやすいところというのはありますか?
柳瀬:そうですね、それだと嬉しいけどデザイナーとしての別の自分がいて、新しいジャンルにも挑戦したい気持ちも常にあるので、そこにとらわれるつもりは全くなく、色々なことをしていきたいなとは。良くニュースになる中吊りとかの交通広告は現場も楽しそうだしいいなぁとか。
ウェブで見させていただいたワンウィークデザイン(弊社サービス:https://1week.design/)というのは多分凄く得意だと思います。とにかく納期がきつい案件も多くやってきたので。
取材者:あれは元々ディレクターが企画したのですが、納期が一ヶ月でも一週間でも出来上がる品質はそれほど変わらないという実体験から生まれたものです。その通りだなと。だったらだっと一週間で作って残りの三週間はそのパンフレットを持って営業活動に使ってもらった方がクライアントにとって良いことなんじゃないかという話です。始めてみたらこのサービス、デザイナーさんからも結構評判良くてですね。そうだそうだと。
柳瀬:時間が必要な物もありますが、納期があればあるほどクライアントさんは迷ってしまうことが多いですよね。それで色々な人が出てきて、色々な思いが。
取材者:それが楽しいからね。やっていて思いますもん。自社のホームページとかやっているんですが、やっぱり言いたくなるのをどこまで堪えるのかみたいなものが大事だったりとか思いますもんね。
柳瀬:制作側も見ているうちに自分が載せたいものを考え始めたり、みんなが口を出したくなってしまって、納期が広いとわーっとなってしまうこともありますよね。でも目指す所がしっかりあって、時間をかけて「伝えたいこと」をちゃんと「伝わる」ものにできた時にはこの仕事をしていて良かったなと思う瞬間です。
思い切って職種を変えてみたり?なんて思ったりもしつつ、でもやっぱりこれが好きかな。
取材者:今10年経ってこれから先こういうことやっていきたいとか、今までの名前で継続していきたいとか色々あるかもしれませんが、何かお考えありますか?
柳瀬:デザイナーという職業自体が若さも必要な部分が多大にある職業だと思うんです。発想力とか勢いとか、そこから次の段階に行くところに来ていると思うので、じゃあそこからデザイナーってどうやっていけばいいのか、というのは最近考えてはいるところです。今は年金問題があったりと、長く働いていかなければならない中で、こういう職業を長く続けるにはどういう形をとっていけばいいのかって。例えばですが自分の年代に合わせたデザインというところは若い人には難しい部分だったりするかなとか。そこらへんが模索中で、その中でも色々なデザインをやればやるほど視野が広がると思っていたので、100人のデザイナーのようなサービスに登録をして色々な人に会いたいなと思っています。
取材者:それって本当に事実だったりするし、例えば私も一応会社経営する立場ですが、うちも外部のデザイナーさん中心とはいえ社内にもデザイナーがいて、例えばコーティングするような人間もいたりします。そういう専門職プラスセンスというものを扱っている職業ゆえに彼らの将来的なスキルアッププランをどうしようかって部分は全然答えがないんです。単純にマネジメントに行って欲しいという気持ちもありつつだけど、元々職人の人格持っている人がマネジメント向いているかどうかは全然別問題だったりするので、この人のはそのままセンス上げていく方が絶対にいいなという風に思う人たくさんいて、そういうのはどうしていこうかなというのは考えますね。
柳瀬:得意分野を伸ばしていくのか広げていくのかみたいな、そういうところがどうしようっていう。思い切って職種を変えてみたり?なんて思ったりもしつつ、でもやっぱりこれが好きかな。
取材者:うちもその辺りはデザイナーさん達と一緒にやっていくという意味では一緒に成長したいなという気持ちがあって、凄く難しいところはあるんですけど、まずは仕事やりつつで次のステージではないけど面白いことを考えていきたいと思いますね。
今日はありがとうございました。